みかんに含まれている成分が糖尿病予防に効果があるって本当?
2016/03/30
温州みかんに含まれている「β-クリプトキサンチン」という成分をご存知でしょうか?
なにやら聞き慣れない成分ですが、最近、この成分が、糖尿病などの生活習慣病の発症リスクが、低くなるとの研究結果が発表されたそうです。
ちなみに温州みかんとは、いわゆる、「みかん」のことで、冬みかんとも呼ばれています。
「冬は、こたつでみかん!」で有名なあの「みかん」です。
今回は、その「みかん」に含まれている、β-クリプトキサンチンについてお伝えしたいと思います。
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生活習慣病予防に有効なβ-クリプトキサンチン
2016年3月23日に発表された、農研機構果樹研究所と浜松医科大などの合同チームの研究結果によりますと、温州みかんに多く含まれている「β-クリプトキサンチン」の血中濃度が高い人は、2型糖尿病や非アルコール性肝機能異常症等の生活習慣病になりにくいということが分かりました。
なんでも温州みかんを毎日3~4個食べている人は、食べていない人と比べて、糖尿病の発症率が、57%も低くなり、非アルコール性肝機能異常症では49%、脂質代謝異常症でも33%低くなるんだそうです。
温州みかんには、果糖が含まれていますので、血糖値にとってあまりよくないのでは?と思っていましたので、予防効果があるとは意外ですね。
β-クリプトキサンチンって何?
β-クリプトキサンチンとは、みかんの色の素となっている色素で、人の血液の中に存在するカロテノイドの一種です。
必要に応じて、ビタミンAに変換して体の機能を維持する機能を持っています。
カロテノイドは、自分の体の中では作り出すことができませんので、野菜や果物、海藻などの食べ物を通して摂取する必要があります。
β-クリプトキサンチンの健康効果とは?
日本国内で実施された栄養疫学研究(三ケ日研究)によりますと、血液中のβ-クリプトキサンチンの濃度が高い人ほど、肝機能障害や、動脈硬化、インスリン抵抗性などの生活習慣病を発症するリスクが低いことが明らかになっています。
また、加齢とともに骨粗鬆症に悩む方は多いと思いますが、血液中のβ-クリプトキサンチンの濃度が高い人は骨粗鬆症の発症リスクが低くなることも分かっています。
〈期待されているβ-クリプトキサンチンの効果〉
- 飲酒者におけるγ-GTPの上昇リスク低減
- 高血糖者における肝機能障害リスク低減
- 脈波速度で評価した動脈硬化リスク低減
- 非糖尿病者におけるインスリン抵抗性リスク低減
- 閉経女性における骨密度低値のリスク低減
- 喫煙者におけるメタボリックシンドロームのリスク低減
生活習慣病だけに効果があるのではなく、骨粗鬆症や美肌効果、抗酸化作用も期待できますので、是非とも摂取したい成分ですね。
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β-クリプトキサンチンが含まれている食べ物は?
様々な効果が期待できるβ-クリプトキサンチンですが、どのような食べ物に含まれているのでしょうか?
主な物をピックアップしてみると、
とうがらし 3gあたり 222μg
温州みかん 100gあたり 1500μg
パパイヤ 515gあたり 541μg
びわ 45gあたり 140μg
柿 206gあたり 665μg
赤ピーマン 120gあたり 288μg
のり 3gあたり 57μg
わかめ 5gあたり 5μg
卵 18gあたり 17μg
などがあります。
主に野菜や果物ものに多く含まれていますが、温州みかんは、β-クリプトキサンチンの含有量が、ずば抜けて多いのが特徴です。
β-クリプトキサンチンの適量ってあるの?
1日のβ-クリプトキサンチンの摂取量の目安は3㎎程度と言われています。
温州みかんでしたら1日2~3個程度、多くても4個くらいにしておいておいた方が良いかもしれません。
と言いますのも、みかんの場合、食べ過ぎると、指先や手のひらが黄色くなてしまう、柑皮症(かんぴしょう)になってしまうことがあるからです。
柑皮症になりやすい人、なりにくいい人と個人差がありますので、ご自身の体質に合わせて食べる数を調整するのが良いでしょう。
まとめ
温州みかんに含まれている、β-クリプトキサンチンには、糖尿病や肝機能障害などの生活習慣病の発症リスクや骨粗鬆症のリスクを抑える効果があります。
温州みかんは、冬場しか食べることは出来ませんが、心配することはありません。
β-クリプトキサンチンは体内に留まっている期間が長いので、冬場にしっかり温州みかんを食べておけば、血液中のβ-クリプトキサンチンの濃度が高まり、たとえ夏場にみかんが食べられなくても、しっかりその効能を維持してくれるのです。
毎年、何となく食べているみかんですが、そんなすごい効果があるなんて、すごいですね。
今年の冬は、我が家の食卓にドーンと「みかん」を積んでおきたいと思います。
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