血糖値が上がらない甘味料はどんな種類があるの?
2016/06/16
糖尿病を治療していると、気になるのが糖質です。
料理をする時などは、それ程気にすることは、無いのですが、スーパーやコンビニで何か買うときは、裏面の栄養成分を良く見るようにしています。
「糖質はどのくらい入っているのか?」
「炭水化物はどうだ?」
「カロリーは?」
「これは、マズいだろ?」
「これならいけるか?」
といちいちチェックしています。
特に最近は、お菓子を食べる機会が少なくなったとはいえ、全く何も口にしないという訳ではありませんので、お菓子を買うときは、以前より商品を吟味して買うようになりました。
昨今の健康ブームで、
「砂糖不使用」、「ノンシュガー」、「カロリーオフ」
などと、うれしい文言が書いてあるものも散見されますので、商品を選ぶ際には、選択肢の一つにそのような商品も加えています。
砂糖を使用していない商品の栄養表示を見てみると、「ステビア」ですとか「ソルビトール」、「キシリトール」など、聞いたことはあるけれども、実際なんだかよく分かっていない甘味料がよく見られます。
洋菓子や和菓子ですと「エリスリトール」なんて、今まで聞いたこともない甘味料が使われています。(私だけかもしれませんが)
糖質である甘味料は、糖尿病患者にとって最も避けなくてはならない成分です。
しかし、中には血糖値が上がりにくい甘味料もあるようです。
一体、血糖値に影響を及ぼさない甘味料とは、どのようなものがあるのでしょうか?
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甘味料の種類ってどれくらいあるの?
甘味料は、甘みを添加する調味料のことで、天然由来のものと、人工的に作られた合成甘味料があり、食品添加物として区分されています。
代表されるものですと、天然甘味料で28種類、人工甘味料で7種類、合計35種類あります。
◇天然甘味料28種
天然甘味料は、食品に含まれている甘味成分を抽出して精製、濃縮したものや、酵素処理で甘味成分を合成した既存添加物です。
<食品由来>
ブドウ糖、果糖、麦芽糖、ショ糖、オリゴ糖
砂糖(和三盆、黒糖、三温糖)、はちみつ、メープルシロップ、アガベシロップ、パームシュガー、モラセス、水あめ、ブドウ糖果糖液糖
<既存添加物>
トレハロース、マルチトール、パラチノース、キシリトール、ソルビトール、甘草抽出物、ステビア加工の甘味料、羅漢果抽出物、ソーマチン、グリセリン、クルクリン、モネリン、モナチン、ミラクリン、エリトリトール
◇合成甘味料7種
アスパルテーム
アセスルファムカリウム
スクラロース
サッカリン(サッカリン酸ナトリウム)
ズルチン
チクロ(サイクラミン酸)
ネオテーム
以上、合計35種類あります。
甘味料と一口にいっても、これだけの種類があるのですね。
血糖値が上がらない甘味料はあるの?
甘味料は、カロリーが高く、血糖値を上げやすい物だと認識されている方もいらっしゃるかと思います。
でも実は、甘みがあっても、血糖値が上がりにくいどころか、血糖値を全く上げない甘味料があります。
それに加えて、血糖値は、上がってしまうものの、その上がり方が、穏やかに上がっていく甘味料も存在しています。
糖尿病で血糖値が気になる方は、血糖値が上がらない、血糖値の上昇が穏やかな甘味料を選んで摂取してみてはいかがでしょうか。
では、一体どのような甘味料が、そのような性質を持っているのか見てみたいと思います。
血糖値を上げない甘味料はコレ!
<天然甘味料>
・エリトリトール
またの名をエリスリトールとも呼ばれ、唯一、血糖値を上げない天然由来の甘味料です。
砂糖と比べ60~80%程度の甘さで、あっさりとした味が特徴です。
体に入っても消化吸収されず、体外に排出される性質があります。
洋菓子や和菓子など幅広い食品に利用されています。
<合成甘味料>
・アスパルテーム
ショ糖の100~200倍の甘さを持ち、後引きのあるのが特徴。
食べてもそのほとんどが、分解も吸収もされずに体の外へ排出されるため、カロリーはほぼゼロとされています。
・アセスルファムカリウム
ショ糖の200倍の甘さを持つ甘味料で、すっきりとしてキレがいいのですが、濃度が高いと若干、苦みを感じるのが特徴です。
水やアルコールによく溶けるので、飲料や漬物などによく使用されています。
虫歯の原因とはならないのも特徴の一つです。
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・スクラロース
ショ糖の約600倍の甘さを持ちますが、体内で消化吸収されないため、カロリーはゼロとされています。
苦みや渋みがほとんどなく、後味を引く砂糖のような味が特徴です。
こちらも、虫歯の原因とはならない性質を持っています。
・サッカリン(o-スルホベンズイミド、o-安息香酸スルフィミド、2-スルホ安息香酸イミド)
ショ糖の350倍、または200~700倍の甘さで、痺れるような独特な刺激の後味を持ち、水に溶けにくいのが特徴です。
サッカリンそのものは、溶けにくい性質がありますのでほとんどがチューインガムに使われており、多くは、水溶性のサッカリン酸ナトリウム(ナトリウム塩)として食品に添加されています。
以前、発がん性の疑いを持たれていましたが、今では、疑いが晴れてアメリカや中国で多く使用されています。
ただ日本では、安全のため、食品ごとに使用量が制限されています。
・ネオテーム
砂糖の7,000~13,000倍の甘みを持ち、砂糖に近いスッキリとした甘さで苦みが少ないのが特徴です。
日本で使用が認められている最も甘味度が高い甘味料です。
血糖値が穏やかに上がる甘味料はコレ!
<天然甘味料>
・マルチトール
砂糖の約90%程度の甘みを持っています。
腸で分解されにくく、また吸収されにくい性質がりますので、砂糖より血糖値の上昇スピードが穏やかと言われています。
虫歯になりにくい性質があります。
・パラチノース(イソマルツロース)
砂糖の約50%の甘みを持ち、砂糖によく似たまろやかでスッキリとした後味のキレが良いのが特徴です。
砂糖を原料としていますが、体内でゆっくり消化される性質があります。
そのため血糖値が急激に上がらず、糖尿病患者の食事など、砂糖の代用品として使用されることが多い甘味料です。
虫歯になりにくい性質があります。
・キシリトール
ショ糖と同程度の甘みを持ち、清涼感がありキレのある甘さが特徴です。
カロリーは、ショ糖の60%程度と低く、体内での吸収スピードも緩やか為、血糖値の上昇も穏やかです。
虫歯になりにくい性質があります。
・ソルビトール(ソルビット、グルシトール)
砂糖の60%の甘みを持ち、カロリーも75%程度に抑えられています。
水に溶ける際に口の中で冷たい触感が得られることから、飴、ガム、スナック菓子などの清涼剤として使用されることが多いです。
血糖値の上昇スピードも、砂糖の50%程度と比較的穏やかな甘味料でです。
・ステビア加工の甘味料
ステビアから抽出される甘味料で、抽出されるステビオール配糖体の含有量で、それぞれ甘味成分、甘味度、甘味質が異なっています。
製品によっては、砂糖の50倍~450倍程度と甘味度の違うものがあります。
カロリーも低く血統値の上昇が緩やかな為、糖尿病患者向けの食事に砂糖の代用品として使われることが多いです。
【ステビア甘味料の一例】
◇ステビオサイド
砂糖の約300倍の甘みがあり、後味を引き、苦みや渋みがあります。
◇レバウディオサイドA
砂糖の約450倍の甘みがあり、比較的砂糖に近い味で、後味を引かず、苦みや渋みが少ない。
まとめ
甘味料と一言で言っても、
・血糖値を急激に上げるもの
・血糖値の上昇スピードが穏やかなもの
・血糖値を全く上げないもの
と甘味料によってその性質は異なっています。
私のような糖尿病を治療している者にとっては、血糖値が上がらない甘味料は、大変ありがたい存在です。
何かを買うと時には、今まで以上に原材料や栄養成分を良くチェックして選んでみたいと思います。
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