糖尿ライフ.com

30代で糖尿病と診断された元サラリーマンがお伝えする、糖尿病と一緒に生きていく人の為の情報ブログ

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メリットあるの?インスリンの早期投与?

   

皆さんは、「インスリン治療」といったらどんなイメージを持ちますか?

 

注射が嫌だ!

痛い!

難しそう!

手間がかかって大変!

重度の糖尿病治療の最終手段!

一度始めたら、やめられない!

 

などと、あまり良いイメージを持っていない人の方が多いのではないのではないでしょうか。

 

現に私も、インスリン治療は、最後の治療法だと思っていますし、なるべくお世話になりたくない治療法だと思っています。

 

何より注射が嫌いなので、毎日、注射するなんてちょっと考えられません。

 

でも、最近では、

 

「インスリンを早期投与する」

 

という考え方が増えてきて、医師からインスリン治療をすすめられる人も多くなってきているそうです。

 

では、なぜそのような風潮になってきているのでしょうか?

 

きっと、何かメリットがあるからだと思いますので、今回はインスリンの早期投与について考えたいと思います。

 

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なぜ、インスリンを早期投与した方が良いのか?

インスリンは、すい臓によって作られています。

 

糖尿病になって、高血糖状態が、続くと血糖値を下げるために、すい臓は、よりインスリンを分泌しようと過剰に働いてしまいます。

 

健康なすい臓ですと、はじめは、頑張って働いてくれて、どんどんインスリンを分泌してくれますが、その状態が長く続きますと、やがて疲弊してしまい、インスリンの分泌が少なくなってしまいます。

 

健康な人と比較すると、糖尿病と診断された時点では、既に半分の量しかインスリンを分泌できなくなっている場合もあるそうです。

 

そのような状態の中で、更に高血糖状態が続き、改善されないままですと、やがては、分泌そのものが無くなってしまうことがあります。

 

そうなる前に、すい臓の働きを防ぎ、疲弊したすい臓を休める為にも、インスリンの投与は有効であると考えられています。

 

すい臓の機能が、低下してしまう前に、なるべく早くインスリンを投与することは、すい臓を守る意味でも、血糖をコントロールする意味でも大変、有意義なことだと考えられています。

 

インスリンの早期投与はすい臓の機能が回復しやすい

もし、糖尿病と診断されても、まだ、すい臓のの働きが十分あるうちにインスリンを投与し始めれば、その分すい臓の負担が減りますので、すい臓の機能が回復しやすい環境になります。

 

HbA1Cの値が高くなりすぎる前に、インスリン投与で血糖コントロールがしっかりできれば、インスリン治療をやめて経口薬に変えることも可能ですし、場合によっては、すい臓の機能を正常な状態に戻すことも不可能では無いとも考えられています。

 

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インスリンの早期投与は合併症の可能性が低くなる

糖尿病と診断された早い段階で、インスリンの早期投与を含めた積極的な治療を行った場合、そうでない場合と比べてみると、網膜症や腎症、心筋梗塞などの発症率や死亡率が低くなることが分かっています。

 

また、HbA1Cの非常に高い人が、インスリンを投与して血糖をコントロールすればある程度の数値まで下がるのですが、糖尿病の初期段階から、インスリンを投与してHbA1Cを悪化させなかった人と比べ合併症になりやすいのだそうです。

 

つまり、一度、HbA1Cが非常に悪化してしまった人は、たとえ薬で数値を下げたとしても、合併症になる可能性を消すことが出来ないと言えます。

 

これは、糖尿病の初期段階からインシュリンを含めた積極的な治療を10年間行うと、そのあとの合併症の発症が少なくなる、

 

「レガシーエフェクト(遺産効果)」

 

と呼ばれています。

 

注射回数の少ないインスリン治療法のBOTとは?

血糖値は、

 

いつも少しずつ分泌されている、

 

「基礎分泌」

 

と、食事などによって血糖値が上がった時にすぐ分泌される

 

「追加分泌」

 

の二つのインスリン分泌によってコントロールされています。

 

今までのインスリン治療は、

 

「基礎分泌」に相当する持効型溶解インスリン製剤を1日1回、

「追加分泌」に相当する超速効型インスリン製剤を毎食直前1日3回、

 

1日合計4回投与するのが理想とされていました。

 

人の生理的なインスリン分泌パターンに近いのがその理由です。

 

けれども、1日4回、注射するのは非常に大変です。

毎食時前ですので、外に出ている方たちなどは、周囲の目を気にしながら打たなくては、なりません。

 

そこで、導入された治療法が、

 

BOT(Basal Supported Oral Therapy)

 

です。

BOTは、「基礎分泌」相当の持効型溶解インスリン製剤を1日1回、打つだけです。

そして、「追加分泌」に当たる部分については、服用している薬でカバーします。

 

つまり、インスリン製剤と飲み薬の両方で、血糖値をコントロールしようという治療法なのです。

 

BOTで持効型の効果の長いインスリンを補充すると、食後だけでなく、空腹時の血糖値も下げることが出来ますので、結果的に全体の血糖値が下がるという訳です。

 

また、「持効型溶解インスリン製剤」の場合、食事前に打つ「超速効性インスリン製剤」と異なり、低血糖にならないという点においても安心して利用できます。

 

まとめ

インスリン治療は、早い段階で開始すれば、血糖値が早く改善したり、薬を減らしたり、場合によっては、やめることも可能にする治療方法です。

 

現在では、1日1回だけ注射すれば良いBOTという治療法もありますので、手間やわずらわしさも少なくて済みそうです。

 

また、最近の注射器は、ペン型タイプで扱いもしやすく、懸念される注射時の痛みも、普通の注射針と比べると少ないそうです。

 

薬を飲んでもなかなかHbA1Cが下がらない!

 

とお悩みの方は、一度、お医者さんに相談してみてもいいかもしれませんね。

 

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 - HbA1c, インスリン, 治療