糖尿ライフ.com

30代で糖尿病と診断された元サラリーマンがお伝えする、糖尿病と一緒に生きていく人の為の情報ブログ

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改めて確認!HbA1c(ha1c)とは?

   

糖尿病を治療していく上で欠かせないものの一つとして、定期的な血液検査があります。

 

現時点で、血糖の状態がどうなっているか、前回より改善されたのか、そうでないのかを定期的にチェックすることは、とても大切なことだと思います。

 

検査の結果によっては、治療方針を見直して、今までより薬の量や数を増やしたり、薬の種類を変更したり、場合によっては、インスリン投与なんてこともあるかもしれません。

 

一方、もし、数値が改善されれば、薬を減らすこともありますし、薬物治療は卒業して、食事療法や運動療法のみになるケースだって十分あり得ることだと思います。

 

数ヶ月間の治療の成果、努力の成果が、数値として現れる訳ですから、どのような結果が出るか気になる人も多いのではないでしょうか?

 

私は、だいたい、3ヶ月~6ヶ月間隔で、血液検査を行い状態をチェックして貰っていますが、診断中、医師との会話の中で、最も注視している数値があります。

 

それは、

 

HbA1cの値です。

 

まず、医師も私も、一番最初にHbA1cの値をチェックします。

 

そして、この数ヶ月間どのような取り組みをしたか報告して、先生からアドバイスをいただき、良い点は継続し、悪い点は改善する、ということを繰り返しています。

 

他の数値についても、当然、チェックして貰いますが、まずは、HbA1cの値です。

 

診察の半分以上は、「HbA1cをどう下げるか」、について費やしていると言っても過言ではありません。

 

そんな、糖尿病治療において、要ともいえるHbA1cの値ですが、HbA1cって一体何なのか、分かっているようでわかってない部分もあるのでは、ないでしょうか。

 

そこで、今回は、改めて、「HbA1c」について、お伝えしたいと思います。

 

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HbA1cって何なの?

高血糖状態の場合、血液中に余分なブドウ糖があふれていますが、この余分なブドウ糖は、たんぱくと結合する性質を持っています。

 

赤血球のたんぱくである「ヘモグロビン」と「ブドウ糖」が結合したものが、「グリコヘモグロビン」で、赤血球の中に含まれています。

 

この、「グリコヘモグロビン」は、数種類あるのですが、糖尿病と関わりがある「グリコヘモグロビン」が、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)となります。

 

HbA1cの単位は%です。例えばHbA1cが5.8%というのは、血液中のヘモグロビンAのうち5.8%がHbA1cになっているということです。

 

HbA1cの検査の目的

HbA1cは、赤血球の中に含まれています。

 

そして、赤血球の寿命と言われる、およそ120日間、血液の中に存在しますので、HbA1cを検査すると、過去1~3ケ月間平均血糖値がわかるようになります。

 

もともとHbA1cは、既に糖尿病になっている人の血糖コントロールが、上手くいっているか、否かを確認する上で活用されるようになって、今では、糖尿病の可能性を判断する大切な指標として利用されています。

 

また、糖尿病と言えば血糖値が有名ですが、血糖値は、直前の食事などの影響を受けてしまいます。

 

しかし、このHbA1cの値は、検査前に食事をしたとしても、ほとんど影響を受けないことから、近年の糖尿病検査において不可欠な項目となっています。

 

とういうことですので、私も、午前中の検査の時、予め、指示がなければ、食事を摂ってから検査に臨むこともしばしばありました。(でも、出来れば食べない方が望ましいのは、言うまでもありません。)

 

このようにHbA1cは、直近の血糖値の影響は受けないことから、空腹時血糖値はそれ程上がらないのに、食後の血糖値が高く、なかなか下がらない、といったタイプの糖尿病を発見するのに大いに役立っています。

 

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HbA1cの測定方法とは?

HbA1cの測定には、大きく分けて、

「HPLC法」、「酵素法」、「免疫法」

があります。

 

〈HPLC法〉

交換クロマトグラフィーという精密で分解能力の高い測定方法です。

多くの検査室や検査センターで採用されていますが、装置によってはHbA1c以外のヘモグロビンを測定してしまうデメリットもあり、検査値に影響する場合があります。

 

〈酵素法〉

特定の物質(基質)に対して特異的に反応する酵素反応を利用した測定方法です。

自動分析装置を用いた大量検体処理に向いているメリットがあります。

 

〈免疫法〉

HbA1cを抗原として作成された抗体を用いた測定方法です。

HbA1cのみを選択的に測定することが可能で、HbA1c以外のヘモグロビンの影響が受けにくいメリットがあります。

 

 

測定方法によって、正常値の範囲が多少異なってしまいますが、どの方法でも、正常値から10%以上高い値が出た時は、異常と判断されています。

 

HbA1cの数値の見方

HbA1cの約50%は、およそ1ヶ月前までの血糖値を示しており、残りの約25%ずつが1~2ヶ月間と2~4ヶ月前の平均血糖値を表していると言われていて、その間の血糖コントロールがどうなっているか把握する上での指標となっています。

 

HbA1cの基準値について

HbA1cの以前の基準値には、日本独自の

JDS(Japan Diabetes Society)値

と、

アメリカを中心とした世界基準の

NGSP(National Glycohemoglobin Standardization Program)値

の2つが存在していましたが、NGSP値の方が、JDS値よりも0.4ポイント高い値を示すことが分かり、2014年4月1日から、日本もNGSP値を採用することとなりました。

現在では、全ての数値が、NGSP値で表示されています。

 

血糖コントロールの目標値は?

糖尿病の治療において、血糖をコントロールすることが重要であることは、いうまでもありませんが、日本糖尿病学会では、血糖値の目標値を下記のように定めています。

①血糖正常化を目指すときの目標値(正常値):6.0%未満(NGSP 以下同じ)

②合併症を予防するための治療目標値:7.0%未満

③有害事象等により治療強化が困難な場合の目標値:8.0%未満

このうち ③は“治療強化が困難な際に限り8.0%未満”とされており、基本的な治療目標は7.0%未満である。(第56回日本糖尿病学会年次学術集会にて、“熊本宣言2013より)

 

HbA1cが高い時に考えられる主な病気

HbA1cが高い値を示している時に考えられる病気は、当然のことながら糖尿病です。

 

しかし、HbA1cの検査の本来の目的は、既に糖尿病を患っている方の血糖コントロールの状態を確認するためのものなので、HbA1cの高値だけでは、糖尿病と確定することはできません。

 

糖尿病の診断については、血糖値や他の診断結果を踏まえて行われることが常です。

 

では、糖尿病の他にHbA1cが高い場合に、考えられる病気として何があるかといいますと、

 

「腎不全」

 

が挙げられます。

 

そして、「糖尿病」や「腎不全」でもないのに、高い値が出る場合は、

 

「異常ヘモグロビン」

 

の可能性もあります。

 

逆にHbA1cの値が低すぎる場合には、赤血球の寿命が短くなる、「溶血性貧血」「インスリノーマ」などが考えられます。

 

まとめ

HbA1cは、検査の直前に血糖コントロールをしても、数値が下がることは、ありません。

 

1ケ月~4ヶ月程度の平均血糖値が表れてきますので、HbA1cを下げるには、日頃の血糖コントロールが、何より大切になってきます。

 

食事療法、運動療法、薬物療法などを駆使して、少しでも正常値に戻したいものです。

 

私の場合、昔と比べると、かなり正常値寄りには、なってきていますが、まだまだ治療が必要な状態です。

 

糖尿病は、一朝一夕にいきませんので、根気強く改善していくしかありませんね。

 

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 - HbA1c, 予防, 検査, 血糖値