糖尿ライフ.com

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糖尿病の薬がガンに効くって本当なの?

   

私には、糖尿病の薬物治療を開始した当初からずっと飲み続けている薬があります。

 

それは、

 

メトホルミン

 

という薬です。

 

糖尿病の薬物治療といったら、まず第一にメトホルミンが選択されると言っても過言ではない程よく使用されていて、日本だけでなく世界各国で広く使われているメジャーな薬です。

 

この有名なメトホルミンですが、以前より糖尿病治療の為だけでなく、ある病気に有効ではないかと研究がすすめられていました。

 

ある病気とは、それは、

 

ガン

 

です。

 

最近、メトホルミンが、ガン治療に効果があるというニュースを見ましたので、今回はそのことについてお伝えしたいと思います。

 

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糖尿病治療薬のメトホルミンってどんな薬?

メトホルミンは、1950年代から糖尿病の治療に使われはじめ、かれこれ60年以上も使われ続けているヒグアナイド系の血糖降下薬です。

 

メトホルミンの主な働きは、

 

・インスリンに対する感受性を高める(糖の利用促進)

・肝臓での糖の生成を抑える(糖新生抑制)

・腸管からの糖の吸収を抑える

 

という3つの働きがあります。

 

血糖降下薬にはいくつかの種類がありますが、SU薬など、すい臓を刺激してインスリンの分泌を促進する薬と異なり、すい臓に負担をかけなくて済むという点でも安心して服用ですることが出来ます。

 

また、メトホルミンは、血糖値抑制の効果があるだけでなく、他の糖尿病薬と比べると価格が非常に安いので、経済的負担が少ないという点もメリットとして挙げられます。

 

効果があって、体にも優しい、そして安い!

 

メトホルミンは、長期に渡り治療していく身としては、大変ありがたい薬です。

 

メトホルミンでガンが抑制される?

国の内外を問わず、世界各国で広く使用されているメトホルミンですが、

 

実は、血糖値を下げる効果の他に、

 

「ガン細胞を殺す」

「ガン細胞を攻撃する機能を回復する」

 

という研究結果が発表されています。

 

ガンの治療に光明?

まず、ハーバード大学でガンを研究しているKevin Struhl博士によりますと、

 

ガンの遺伝子と2型糖尿病の遺伝子に共通点があることを発見したので、乳がん細胞にいくつかの糖尿病薬を与えてみたそうです。

 

すると、メトホルミンに一番反応が表れたということで、マウスを使って実験をしてみると、メトホルミンが、

乳がんの細胞を殺す!

という結果が出たそうです。

 

また、博士は、化学療法単独でガンを治療する場合、ガンが再発することがあるが、化学療法とメトホルミンの両方で治療した場合は、ガンが再発しないということにも言及しています。

 

そして、別の研究室の見解にはなるのですが、メトホルミンの作用で、マウスの肺がん腫瘍の数が減っているということも発見されているそうなのです。

 これは、なかなか期待が持てそうです。

 

一方、我が国、日本でも、メトホルミンを長期間服用した患者は、それ以外の薬を服用した患者と比べて、がん羅漢率、死亡率が低いということが確認されています。

 

岡山大学の研究グループでは、

 

「メトホルミンの作用を従来のがん治療法と組み合わせることで、治療効果のさらなる改善につながる可能性がある」

 

との見解を出しています。

 

なぜなら、メトホルミンには、

 

ガン細胞を攻撃する免疫細胞を回復させる作用がある。

 

ということが実験を通じて確認されているからなのです。

 その実験とは、

<実験>

・糖尿病ではない正常なマウスにガン細胞を移植(ガンマウスの作製)

・ガンマウスにメトホルミンを投与

 

<結果>

①細胞障害性をもつ「CD8陽性T細胞」(キラーT細胞)の活性増強が確認される

・CD8陽性T細胞の数が増加

・CD8陽性T細胞の機能の回復

 

 ②ガンの縮小が確認される。

 

この結果を見て皆さんは、どう思われますか?

これって、かなり凄いことなのではないでしょうか。

 

もし、もっと研究が進んで、メトホルミンがガンの特効薬として誕生したら、世の中変わりそうですね。

 

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ガンの抑制はキラーT細胞の働きにかかっている?

人の体は、毎日、数千個のガン細胞が発生していますが、人には免疫がありますので、通常であればガンになることはありません。

 

具体的には、免疫細胞である「キラーT細胞」が、ガン細胞をやっつけて守ってくれているのです。

 

でも、この免疫細胞は、残念ながら不死身という訳では無くて、ガン細胞と戦っているうちに徐々に疲弊していってしまうという弱点を持っています。

 

免疫細胞が弱ってしまいますと、ガン細胞は増殖し、いずれガンになってしまうので、免疫細胞には、いつも元気に、そして数多く存在しておいてもらわなければなりません。

 

ガンになるかならないかは、免疫細胞にかかっていると言っても過言ではありません。

 

疲弊した免疫細胞を回復してくれるメトホルミンは、今後のガン治療においてなくてはならない存在になるかもしれませんね。

 

糖尿病患者でメトホルミンを服用している人はガンにならない?

メトホルミンは、免疫細胞を活性化させる力があるということなので、私のように日々、メトホルミンを飲んでいる糖尿病患者は、ガンにならないのでしょうか?

 

横浜市立大学の研究グループによりますと、

 

メトホルミンには、大腸ポリープの再発リスクを下げる効果がある。

 

と発表しています。

 

大腸ポリープは、放っておくと大腸ガンになる可能性が高い病気なのですが、ポリープを切除すれば大腸ガンになるリスクは低下すると考えられています。

しかし、大腸ポリープの厄介なところは、切除したとしても再発しやすいという点が挙げられます。

 

そこで、研究チームは大腸ポリープを切除した151人にメトホルミン250mgを服用し、1年後の大腸ポリープの再発率がどうなっているか調査してみました。

結果は、

メトホルミンを服用した人 → 32

偽薬を服用した人 → 52

 

とメトホルミンを服用した人の方が、偽役を服用した人おり4割程度少ないということが分かりました。

 

研究チームは、この結果について、

 

「メトホルミンが大腸ガンの予防薬として有用である可能性が示されている。」

 

としていますが、同時に、

 

「メトホルミンが本当にガンの予防に効果があるか、長期間の試験をし、さらに検討していく必要がある。」

 

とも述べています。

 

この結果だけをみると、残念ながら現時点では、メトホルミンは、大腸がんの予防になる可能性はあるものの、予防薬になるまでには、至ってないということです。

 

しかし、メトホルミンを服用したグループの方が、約7割もポリープの再発を防げたということは、今後の研究に期待が持てると言っても良いのではないでしょうか。

 

まとめ

今のところ、メトホルミンを服用すると、ガンにならないということは、確約されていません。

 

しかし、

 

ガンになる可能性が低くなる!

ガンを攻撃する免疫細胞が増強される!

ガン細胞を殺す!

 

など、ガンに対しての優位性が、多くの研究結果で発表されています。

 

メトホルミンは、世界中で広く使用されている糖尿病薬ですが、近い将来、もしかすると最も多く使用されるガン治療薬になっているかもしれませんね。

 

私も、今後は、糖尿病が改善されることを期待すると同時に、

 

ガンになりませんように!

 

と祈りつつ、メトホルミンを飲み続けたいと思います。

 

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