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糖尿病による血管障害はなぜ危険なのか?

      2016/02/03

昔から「血管が老いると人の体も老いる」と言われています。

 

同じ年齢でも若く見られる人と、そうでない人がいるように、血管も同じで実年齢より若い人と、老化が進んでいる人がいます。

 

いわゆる血管年齢です。

 

いつまでも健康でいる為にも、まずこの血管年齢を若く保つ必要があります。

 

あたり前のことですが、体の全ての器官、全ての細胞は、血液によって届けられる栄養素や酸素によって生かされています。

 

全身へくまなく血液を供給する血管は、まさしく人体のライフラインです。

このライフラインに障害が起きてしまうと、どうなってしまうのでしょう。

 

血管の老化によって障害が起きますと、人体へ様々な悪影響をもたらします。

中でも糖尿病は血管障害を引き起こす代表的な病気で、命にもかかわる重篤な症状を引き起こすことも少なくありません。

 

今回は、糖尿病による血管障害は、なぜ危険なのかを改めて考えたいと思います。

 

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糖尿病性血管障害

糖尿病は別の言い方をすると、血管を破壊する病気とも言われています。

血管が破壊され、老化が進むと様々な合併症を引き起こすことは、広く知れ渡っています。

 

糖尿病を起因とする血管障害の影響が高い合併症は、以下のようなものが挙げられます。

 

網膜症

網膜とは、眼の奥一帯に広がっている、薄い膜のことです。

瞳孔から入った情報が網膜を通じて脳へ伝達され、見たものを認識するようになっています。

 

網膜には、細かな血管が張り巡らされているのですが、血糖値がコントロールされていないと、ブドウ糖の影響で血管が破壊され、血管障害が進行し「網膜症」となります。

 

「網膜症」は、自覚症状が、ほとんどなく進行してく怖い病気です。

 

ある日突然、眼底出血や、網膜剥離が起こり、視力低下という形となって現れます。

なんと、成人の視覚障害者の5人に一人は、糖尿病性網膜症が原因の視覚障害ということで、決して珍しくない障害なんだそうです。

 

腎症

腎臓は、言わずと知れた血液中の老廃物をろ過して尿を作る臓器です。

腎臓の中にも細かな血管が張り巡らされているのですが、これらの血管が破壊され、腎機能が低下してしまうのが「腎症」です

 

腎症にも自覚症状は、ほとんどありません。

自覚症状が無いまま、どんどん症状は悪化していきます。

症状が悪化するとやがて「むくみ」と言う形となって現れてきます。

 

これは、腎機能が低下している証拠ですので、人工透析も検討しなければならない段階にきている非常に危険な状態です。

 

神経障害

神経も血管と同じく全身に張り巡らされています。

血管が破壊され、神経細胞に栄養素が十分に行き渡らないと、神経の働きが妨げられ、様々な神経障害を引き起こします。

 

神経は、脳が発する指令を体の各器官に伝えたり、反対に体の各器官が、つかんだ情報を脳へ伝達する重要な役割を持っていて、体を動かす「運動神経」、体の機能を調節する「自律神経」など生命維持に密接な関わりがあります。

 

神経に障害が起こると、手足のしびれ、ピリピリする痛み、熱さや痛みが鈍くなる、血圧がコントロールされない、胃腸障害、低血糖の症状が現れない、心機能障害など、体の内外問わず、いたるところに悪影響が出てきます。

 

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動脈硬化

動脈は、心臓から全身へ血液を送る血管です。

動脈の血管の壁は正常な状態ですと、弾力があって、しなやかで、心臓が血液を送り出すたびに膨らみます。

このしなやかな動脈のおかげで、血圧は一定レベルに抑えられ、心臓や血管自体の負担も少なくて済むわけです。

 

しかし、血糖値のコントロールが上手くいかず、血管の老化が進んでしまうと、血管の壁が硬くなったり、弾力が失われてしまったりするだけでなく、血管壁に脂肪分が付着し血液の通り道をふさいでしまう、いわゆる動脈硬化が起こってしまいます。

 

動脈硬化は、通常は少しずつ進行するものなのですが、ある程度、進行が進むと突然重篤な症状を引き起こす危険性があります。

 

それは、血管壁に付着した脂肪の塊(プラーク)が、何かの拍子に破裂することがあるからです。

 

プラークが破裂すると、それを修復しようと血小板が集まってくるのですが、プラークの脂肪などと結合して血栓を作るようになってしまいます。

 

血栓とは、血の塊のことです。もう少し平たく言うと、「かさぶた」のことです。

 

手足に「切り傷」や「擦り傷」など受けた時、時間の経過とともにかさぶたが出来ると思いますが、血管の中にもこのかさぶたが出来ている訳です。

 

そして、この血栓が大きくなると血管を塞いでしまい、血液の流れを止めてしまうのです。

 

心臓に関する血管が詰まると「心筋梗塞」、脳の血管が詰まれば「脳梗塞」の発作を起こし、場合によっては、命を落とす危険性がある恐ろし病気ということは皆さんもご存知のことと思います。

 

肺血栓塞栓症

通常、血管内に血栓が出来たとしても、血栓を溶かす作用が働き、血栓は溶けてなくなります。

 

しかし、まれにこの血栓が溶ける前にはがれてしまい、はがれた血栓が巡り巡って肺の動脈を塞いでしまうことがあるそうです。

 

肺動脈を塞いでしまうと、肺への血液供給が出来なくなりますので、呼吸困難や全身の血液循環に悪影響を及ぼし、血栓が大きい場合は、即死することもあるそうです。

 

エコノミークラス症候群は有名ですが、長時間、同じ姿勢で居続けた場合、血液の流れが悪化し、血栓が出来やすくなるので、発症するケースが多いそうです。

 

また、飛行機だけでなく、電車や自動車などでも長時間、同じ姿勢でいると危険なので時折体を動かしたり、こまめに休憩をはさむことが予防になるようです。

 

肺血栓塞栓症は、「高血圧」「高血糖」「高コレストロール」などいわゆる生活習慣病を患っている、血液ドロドロ状態の人が最も危険と言われています。

 

血液ドロドロの方たちは、普段の生活の中でも、2時間以上同じ体勢でいることは極力避け、水分を多くとるなど少しでも血流をよくする習慣を身に付け、肺血栓塞栓症を発症しないよう心掛けるようにしましょう。

 

まとめ

血液の流れに障害が起きてしまうと、細胞に酸素や栄養が十分に行き渡らず、細胞の機能が低下し、最悪その細胞は、生きていけなくなります。

 

また、血栓の影響で血管が詰まってしまうと最悪、死に至ってしまいます。

 

ですから、細胞へのライフラインである血管を健康に保つことは、最重要項目と言っても過言ではありません。

 

幸いなことに、血管を若返らせることは可能です。

 

食生活を改善し運動などを取り入れることで、血管年齢は下がるのです。

 

私も過去を振り返ると血管や血流のことにはあまり関心を持っていなかったのですが、これを機に、更に血液サラサラ状態を目指してみたいと思います。

 

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 - 合併症, 血流