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インスリン治療にかかる費用はどれくらい?

   

糖尿病の治療方法には、食事療法、運動療法、薬物療法がありますが、薬物療法の中でも、インスリン治療と言うものがあります。

 

インスリン治療は、当然費用がかかるのですが、一体いくらくらいかかるのでしょうか?

 

今回は、インスリン治療にかかる費用についてお伝えします。

 

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インスリン療法を選ぶ人が増えてきた?

一昔のインスリン療法は、糖尿病の最終治療方法と考えられていましたが、現在では、早めにインスリン治療を行うことによって、すい臓の負担を減らしてすい臓の機能を回復させたり、合併症の発症も抑えられるといったメリットがあることから、早い段階からインスリン治療を開始するケースも増えてきているようです。

 

特に、持効型のインスリンと経口薬を併用して行うBOTというインスリン治療法は、インスリンを1日1回しか打たなくて良いので、患者さんの負担も少なくて済みますので、今までインスリン治療を躊躇していた方も、

 

「それならばやってみよう」

 

と始めるそうです。

 

インスリン注射は痛い?

インスリン治療を拒む理由の一つに、注射が痛いことが挙げられます。

 

しかし、最近の注射針は、痛みが少なくなるように工夫されていて、特殊なカットが施されていますので、懸念されている注射の痛みも、採血時の痛みとは、比べ物にならないほど少ないそうです。

 

インスリンの針は、採血する時の針のサイズと比較とすると、

 

<長さ>大体5分の1~10分の1程度

採血用針:38㎜ → インスリン注射針:4~8㎜

 

<太さ>大体3分の1程度

採血用針:0.7~0.9㎜ → インスリン注射針:0.23~0.25㎜

 

なんだそうです。

 

興味がある人は、実際にインスリンを打っている人に見せてもらうか、かかりつけのお医者さんに見せてもらうといいでしょう。

 

痛くない注射の存在のおかげで、更にハードルが下がり、インスリン治療を始める人が増えています。

 

インスリン治療にかかる費用は?

1日1回のインスリン注射をするだけで、すい臓の負担も減り、合併症も抑えられ、それでいて痛みも少ない、と言うことであれば、インスリン治療に切り替える人が増えるのも納得です。

 

でも、気になるのは、その費用です。

 

いくら、良い治療法といっても、あまり、高額になってしまうのであれば、やりたくても躊躇してしまいますからね。

 

実際のところ、インスリン治療を始めると、どれ位の費用が必要になるのでしょうか?

 インスリン療法にかかる費用とは?

インスリン治療にかかる費用と一言でも言っても、

 

「インスリン製剤そのものに関わる費用」と、「インスリン治療に関わる診察の費用」

 

に分けられます。

 

また、

 

・どのような治療法にするのか?

・どんな種類や形状のインスリン製剤を使うのか?

・一回の注入単位をどのくらいにするのか?

・どんな針を使うのか

によっても違ってきます。

 

インスリンの治療法には、代表的な、

 

■強化インスリン療法

■持続皮下インスリン注入療法

■BOT療法

 

などをはじめ、患者さんに合わせて様々な治療法を取り入れますので、その治療方法によって1日に注射する量も違ってきます。

 

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インスリン製剤に関わる費用はどんなものがあるの?

使用するインスリン製剤には、

 

■超速効型

■速効型

■持効型

■中間型

■混合型

 

と5つの種類がありますので、患者さんの状態によって注入するインスリンが変わってきます。

 

そして、それぞれの製剤には、

 

◆プレフィルドタイプ(一体型)

針をつければすぐに使用できる薬剤と注射器が一体になった製剤。

インスリンを使い切ったら廃棄する。

 

◆カートリッジタイプ(交換型)

カートリッジ製剤をペン型注射器をセットして使用する。

インスリンが無くなったら、新しいカートリッジと交換する。

 

◆バイアルタイプ

透明な瓶に入っている製剤をインスリン専用注射器で抜き取って使用するタイプ。

また、電動のインスリンポンプを用いて注入する際にも使用されます。

 

と3つ形状をした製剤があって、タイプによってそれぞれ価格が違います。

 

価格の高い順に並べると、

 

プレフィルドタイプ

  ↓

カートリッジタイプ

  ↓

バイアルタイプ

 

となります。

 

参考までにインスリン製剤の価格がどれくらいかというと、

 

<インスリン製剤参考価格 2016年4月現在>

プレフィルド製剤(一体型)

超速効型300単位/3ml 1,952円~2,385円

速効型300単位/3ml 1,689円~1,950円

持効型300単位/3ml 1,612円~2,619円

中間型300単位/3ml 1,754円~1,986円

混合型300単位/3ml 1,742円~2,352円

 

カートリッジ製剤(専用注入器に装着して使用)

超速効型300単位/3ml 1,642円~1,669円

速効型300単位/3ml 1,287円

持効型300単位/3ml 980円~1,859円

中間型300単位/3ml 1,290円~1,649円

混合型300単位/3ml 1,294円~1,685円

 

バイアル製剤(透明な瓶に入っている製剤)

超速効型100単位/ml 390円~415円

速効型100単位/ml 311円~332円

持効型100単位/ml 382円

中間型100単位/ml 336円

混合型100単位/300ml 343円

※バイアル製剤は、容量が他の製剤の1/3になります。

 

となります。

 

また、細かい点ですが、使用する針にもいくつか種類があって、

 

■標準型 15円

■針折れ防止型 17円

■超微細型 18円

 

などから、器具に合うタイプの針を選びます。

 

診察に関わる費用はどんなものがあるの?

インスリン治療は、インスリン製剤に関わる費用の他に、診察においても、別途特別な費用が発生します。

 

インスリン治療ならではの診察費用は、

 

◆在宅自己注射指導管理料

◆血糖自己測定指導加算

 

が発生します。

 

どちらも、1ケ月にどれだけ注射をするか、どれだけ血糖値を計るのかによって金額が変わり、その回数が多くなるにしたがって金額が大きくなります。

それぞれの診療報酬点数をみてみますと、

在宅自己注射指導管理料(C101 )

1 複雑な場合 1,230点 (インスリンポンプ用いた場合) 

2 1以外の場合

月27回以下の場合 650点

月28回以上の場合 750点

 

血糖自己測定器加算(C150)

月20回以上測定する場合 400点

月40回以上測定する場合 580点

月60回以上測定する場合 860点

月80回以上測定する場合 1,140点

月100回以上測定する場合 1,320点

月120回以上測定する場合 1,500点

 

インスリン治療でかかる費用例(概算)

例えば、インスリンを1日4回注射して、血糖自己測定を月に60回以上する場合ですと、

 

在宅自己注射指導管理料 7,500円

血糖自己測定指導加算  8,600円

インスリン製剤 300単位×3本 5,197円(カートリッジタイプ 超速効型×2+持効型×1)

注射針 360円

再診、検査、その他費用   9,390円(調剤関連費用除く)

 

合計 31,047円

 

患者の3割負担で9,314円

 

かかることになりますが、インスリン関連費用だけで見ると、

 

6,497円

 

の費用負担となります。

 

これを多いとみるか、少ないとみるか、意見が分かれるところです。

 

経口薬だけの時と比べると、明らかに負担が増しますが、それで血糖値が安定して、合併症を防ぐことが出来るのであれば、安いと考えられるかもしれません。

 

まとめ

インスリン治療は、治療法や取り扱う製剤や器具によってかかる費用が異なります。

 

ペン型器具でカートリッジタイプの製剤を使った場合ですと、大体、月9,000円前後の費用がかかります。

注射器でバイアルタイプの製剤を使いますと、もう少し安くなりますし、プレフィルドタイプになりますと逆に費用負担は増えます。

 

いずれにせよ、経口薬と違い、直にインスリンを追加するわけですから、その効果は、かなり期待できそうです。

 

もし、血糖値が中々改善されず、将来、

「合併症になってしまった!」

なんてことになってしまいますと、今以上に医療費が、かさんでしまいますので、先行投資だと思ってインスリン治療を始めてみるのもありかもしれません。

 

でも、かく言う私は、やっぱり注射が嫌なので、頑張って食事と運動と飲み薬で頑張りたいと思います。

 

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 - インスリン, 治療