糖質制限の悪いところとは?
血糖値のことを考えますと、
糖質を減らす!
いわゆる、
糖質制限
をするのが一番良いと思っていますし、今でもその考え方に大きく変わっていません。
なぜなら実際に炭水化物を抜いたり、減らしたりすると食後血糖値がほとんど正常範囲に収まるからです。
しかし、昔から、
糖質を制限するのは危険!
という意見は多く聞かれますし、
本当に糖質を制限してしまって大丈夫なのか?
という一抹の不安を感じていない訳ではありません。
糖質を制限しますと、血糖値は上がりませんので血管へのダメージは少なくて済みますが、他の部分への影響は無いのでしょうか?
今回は、糖質制限をした場合に起こる体への影響について考えてみたいと思います。
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糖質制限をすると体はどうなる?
糖質制限すると一体、体にどのような変化が訪れるのでしょうか?
まずは、良いことから挙げてみたいと思います。
糖質制限のいいところ その①
痩せる!
肥満の人や
「ちょっと太ったな~」
「痩せなきゃな~」
なんて思っている人は、試しに糖質を摂るのをやめてみてください。
では、やめるとどうなるか?
はい、
間違いなく痩せます!
ほぼ100%の確率で痩せると言っても過言ではありません。
理由は簡単です。
糖質とは、簡単に言いますと、
糖を主成分にしている物質
のことで、体を動かすエネルギー源となっています。
甘いお菓子や飲み物に含まれているだけではなく、
白米やパン、麺類
といった、いわゆる
炭水化物
にも大変多く含まれているのです。
そのエネルギー源を
断つ!
訳ですから痩せるのは当たり前ですね。
でも痩せる理由は、これだけではありません。
体は、糖質が入ってこなくなると、脂肪を糖に変えてエネルギー源を自ら作り出します。
ですから、糖質制限すると、どんどん脂肪が減っていくのです。
一ヶ月、いや、早い人ですと2週間もすると、明らかに体が変化するのが分かると思います。
糖質制限のいいところ その②
血糖値が上がらない!(血糖が少ない)
次に、目には見えませんが、糖質を制限しますと明らかに違ってくるのが、
血糖値
です。
血糖値を上げるのは、
糖質だけ!
ですので、糖質を減らせばその分、血糖値は上がることはありません。
血糖値が上がらなければ、すい臓への負担も少なくて済みますので、糖尿病になるリスクを抑えることが出来ます。
ちなみにインスリンは、血糖値を下げるホルモンなのですが、別名、
肥満ホルモン
とも呼ばれていて、血液中の余分な血糖を脂肪に変える役割も持っています。
ですから、インスリンの分泌を減らすことは、肥満防止ににつながるということにもなるのです。
糖質制限のいいところ その③
血管に優しい!
コレも目には見えませんが、血糖値が上がりませんので血糖による血管へのダメージが少なくて済みます。
意外と知られていませんが、血糖値が180mg/dlを超えてくると、糖が血管や神経を破壊し始めます。
ですから、高血糖状態が続く糖尿病になりますと、いわゆる糖尿病性合併症と呼ばれる
神経障害
網膜障害
腎機能障害
が心配されるのです。
糖質制限をすると、血管や神経を傷つけませんから体に負担がかかりません。
以上が糖質を制限した場合の良いところですが、この他にも血糖値の変動によって起こる血糖代謝異常(低血糖症や疲労感、気分のムラ)や食後の眠気が無くなるなど、糖質を摂取した後に起こりやすい症状が無くなったり緩和されたりします。
では逆に糖質制限すると、体に悪いことってあるのでしょうか?
糖質制限の悪いところとは?
ざっと調べてみますと、
・エネルギー不足になりやすい → 筋力低下、頭がボーっとする
・たんぱくの質摂り過ぎ注意 → 臓器への負担
・脂質の摂り過ぎ注意 → 血液ドロドロ、肥満
・食物繊維不足 → 便秘
・低血糖症の恐れ → 動悸、手の震え、昏睡
といった感じでしょうか。
エネルギー不足にるとどうなる?
その① 筋肉が衰える!
体にとって必要なエネルギー源である
糖
が不足してくると、
糖新生
が行われます。
糖新生とは簡単に言うと、体内で自ら糖を作り出すことです。
糖新生を行う上で、必要なのが
アミノ酸
で、このアミノ酸は、筋肉を分解して作り出されます。
ですから、糖新生が行われると
筋肉が減少する
という理屈です。
でも、糖新生が行われたからと言って必ず筋肉が落ちるという訳ではありません。
きちんとたんぱく質を補給して運動すれば筋肉量は維持出来ますので、それほど心配する必要はないと思います。
一番いけないのは、
糖質を減らしたのにも関わらず、たんぱく質が足りない
という状態です。
これですと、どんどん痩せ衰えていきますので注意が必要です。
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その② 頭がボーっとする
糖質を制限すると、
頭がボーっとする、集中力が落ちる
という現象が起こる場合があります。
これは、脳の栄養源である糖質が足りなくなるからです。
極端に糖質を制限してしまうのは、脳の働きを鈍くしてしまいますので注意が必要です。
ちなみに、全く糖質を取らなくなった場合、体は危険を察知し、脂肪をケトン体という物質に変換して脳に栄養を供給しはじめます。
それなら、糖を取らなくても大丈夫だ!
と思うかもしれませんが、ケトン体が出ているということはいわば、
極限状態
といってもいいかもしれませんので、それに頼るのは少々危険な気がします。
やはり、ちゃんと集中力が維持できる程度の糖質補給は必要なのではないかと考えます。
たんぱく質・脂質の摂り過ぎに注意!
糖質制限をすると当然エネルギー不足となりますので、その分、他の栄養素でエネルギーを補わなければなりません。
では他の栄養素というのは何かといますと、
・たんぱく質
・脂質
・ビタミン
・ミネラル
などがそうです。
ビタミン、ミネラルでは糖質の不足分を補いきれませんので、必然的に、
たんぱく質と脂質
で補うこととなります。
適正な量を補う分には全く問題ないと思いますが、いくら血糖値を上げないからといって、タンパク質や脂質を食べ過ぎてしまえば、やはり体に負担がかかるのではないでしょうか?
たんぱく質を大量に食べ過ぎてしまうと懸念されるのが、
腎臓への負担
です。
今のところ、厚生労働省でタンパク質の摂取上限は決めていないようですが、過剰摂取は禁物です。
たんぱく質は、最終的にアンモニアとなり腎臓でろ過して尿として排出されます。
いくら上限が決められていないからと言って、過剰に摂取すれば、その分腎臓への負担が多くなるのは避けられません。
逆に脂質については、厚生労働省で目安量や目標量が設定されています。
例えば、成人男性 30歳~49歳ですと総エネルギーに対して、
20%~25%
となっています。(詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。)
脂質は、当然ながら摂り過ぎますと肥満やメタボリックシンドロームに繋がりますので、生活習慣病のリスクが上がってしまいます。
食物繊維不足に注意
糖質制限をすると炭水化物も制限してしまうので自ずと食物繊維が不足気味になってしまいます。
食物繊維が不足してしまうと言うことは、
便秘
になりやすいので注意が必要です。
いつもより積極的に野菜を摂るようにする必要があります。
低血糖症の恐れ
低血糖になると、
・発汗
・動悸
・手の震え
・眠気
・脱力
・集中力低下
といった症状が現れだし、更に重篤化すると、
・痙攣
・昏睡
といった危険な状態に陥ってしまいます。
しかし、糖質制限をしたからといって、普通の人がこれらの低血糖症になる訳ではありません。
低血糖症になるほとんどのケースが、
・薬物治療をしている
・自律神経の影響(無自覚性低血糖)
と言われています。
ですから、
糖尿病治療で薬を飲んでいる方
もしくは
自律神経に異常がある方
については、糖質制限をする際には十分注意が必要で、出来れば医師に相談してから実施するようにしましょう。
まとめ
糖質制限をすると、
・痩せる
・すい臓に負担がかからない
・血管に優しい
・血管の病気予防に繋がる
などなど、体にとって良いことが結構あります。
一方、悪いところとなると・・・
・エネルギー不足
・たんぱくの質、脂質の摂り過ぎ
・食物繊維不足
・低血糖症の恐れ
といったところですが、きちんとケアさえしていれば、特に問題視するほどのことではなさそうです。
ポイントは、
・自身の置かれてる状況や、状態を正しく理解しておくこと
・あまり極端なことをしない
ということなのではなでしょうか。
糖質を摂らければ体に良い!
そんなことは分かっています。
でも、分かっていてもやめられない。
それが一番悪いところかもしれません。
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