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危険な食後高血糖!どんな検査方法があるの?

      2016/05/25

食後血糖値が高い人は、そうでない人と比べ、動脈硬化になるリスクや死亡するリスクが高くなることが分かっています。

 

たとえ、HbA1cの値が低かろうと、空腹時血糖値が低かろうと、まだ糖尿病と診断されていなかろうと食後血糖値が高ければ、そのリスクが軽減されることはありません。

 

従って、食後高血糖であるならば、直ちに対処しなければ、状況が悪化するばかりと言っても過言ではありません。

 

では、どうすればよいのでしょうか?

 

それは、食後の血糖値が、どのようになっているかちゃんと把握することから始まります

 

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食後血糖値の状況を把握する方法

食後の血糖値の状況を把握するには、2つの方法があります。

 

1つは、

 

病院で検査する。

 

もう1つは、

 

自分で測定する。

 

ことです。

 

どちらが良いかは、人それぞれの考え方によりますので、なんとも言えませんが、自分で測定した場合の方が、より確実に食後血糖値を把握することが出来ると思います。

 

では、それぞれの検査方法について見ていきたいと思います。

 

病院で検査する方法① ブドウ糖負荷試験

<特徴>

ブドウ糖水溶液を飲み、血糖値がどのように推移するか把握できます。

血液中のブドウ糖が、すい臓から分泌されるインスリンでちゃんと処理されているか、つまり、血糖値が下がっているか、それともインスリンの働き具合が悪く、血糖値が下がらないままなのか調べることが出来ます。

 

<検査方法>

空腹時血糖値を計った後に、75gのブドウ糖を摂取し、1時間後、2時間後に採血し血糖値を計る。

 

<正常値>

空腹時:110mg/dl未満

2時間後:140mg/dl未満

 

<メリット>

採血時の血糖状態を正確に把握することができる。

 

<デメリット>

空腹時血糖値も計る為、前日は、夜8時以降、絶食しなければならない。

採血した時点での血糖値は、正確に分かりますが、それ以外の血糖状態は把握できない。

採血が3回程度あるので、注射が苦痛。

検査は、通院しなければならず、検査から診察まで半日かかる場合もある。

 

病院で検査する方法② グリコアルブミン(GA)検査

<特徴>

過去2週間の血糖状態が把握できる検査です。

 

グリコアルブミンは、血液中の糖とアルブミン(たんぱく質)が結合して出来たものですが、結合するスピードが、ヘモグロビンと糖が結合して出来るHbA1cのスピードより9倍も速いということから、食後短時間に表れる高血糖の時でも、素早く糖と結合する特徴があるので、食後高血糖の評価に適していると考えられています。

 

検査結果では、グリコアルブミンの割合が高ければ高いほど過去1~2週間の血糖値が高いと判断されます。

 

<検査方法>

採血

 

<正常値>

11%~16%

 

<メリット>

HbA1cではわからない直近約2週間の血糖状態を把握できる。

経口薬の投与やインスリン治療を開始して間もない患者の治療効果を知ることができる。

HbA1cは、出血、溶血、異常Hb、腎不全などの影響を受けますが、グリコアルブミンはこれらの影響を受けない。

 

<デメリット>

アルブミンの半減期が17日程度なので、過去1~2週間、最大でも1ケ月ほどの血糖状態しか把握することが出来ない。

検査は、通院しなければならず、検査から診察まで半日かかる場合もある。

 

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病院で検査する方法③ 1,5-AG検査

<特徴>

1,5-AGは、血液中に含まれている糖の一種で、殆ど全ての食品に含まれています。

通常、血液中の1,5-AGの濃度は、一定に保たれています。

 

しかし1,5-AGは、尿糖と相関関係があることから、糖尿病などで尿糖が増加している場合、尿糖と一緒に1,5-AGもたくさん排泄され、血液中の濃度は低下します。

 

すなわち、血糖値が高ければ高い程、1,5-AGの数値が低くなるという特徴があります。

 

また、食後だけ高血糖になっている場合や軽度の悪化など、病状が比較的軽いうちから、早く反応が現れるのも特徴の一つです。

 

1,5-AGも過去に遡って血糖状態を把握することが出来るのですが、その期間が数日間と、HbA1cやグリコアルブミンなどと比べると非常に短くなっています。

 

<検査方法>

採血

 

<正常値>

14μg/mL 以上

 

<メリット>

HbA1c、グリコアルブミンでは、分からない直近数日間の血糖状態が把握できる。

食後の一時的な高血糖状態や正常から境界値付近の血糖値の変動などを敏感にとらえることができる。

軽度の糖尿病の初期段階や薬を変更したばかりの治療効果の判定に活用できる。

 

<デメリット>

過去数日間の血糖状態しか把握できない。

検査は、通院しなければならず、検査から診察まで半日かかる場合もある。

 

血糖値を自分で測定する方法

世の中には、

 

「血糖自己測定器」

 

と言うものがあります。

 

こんな感じの器具です。血糖測定器

これは、読んで字のごとく、血糖値を自分で計ることが出来る機器です。

 

<特徴>

血糖自己測定器は、主にインスリン治療をしている人が、血糖値管理をする時に使用しています。

 

これを利用すれば、いつでも、どこでも簡単に血糖値を計ることが出来ますので、より確実に食後血糖値を把握することが可能です。

 

販売しているメーカーも数社あり、価格は4,000円位~10,000円前後で購入することが出来ます。

 

インスリン療法を行っている人は、保険適用になりますので、安く手に入れることが可能ですが、それ以外の人は、全額自己負担での購入となります。

 

<検査方法>

使い方は、非常に簡単です。

 

  • 針を穿刺器(せんしき)にセットします。
  • 血糖測定器にセンサーをセットします。
  • 穿刺器を使って採血します。
  • 血が出たところにセンサーをあてて測定します。

 

以上です。

 

<正常値>

空腹時血糖値:80~110mg/dL未満

食後2時間血糖値:80~140mg/dL未満

 

<メリット>

空腹時や食後の血糖値の状況を、簡単に正確に把握できる。

普段の血糖状態を把握することが出来るので、治療に役立てることが可能。

低血糖かどうかすぐ判断でき、対処できる。

針に工夫が施されているので、採血時の痛みが少ない。

どこででも測定できるので、通院する必要が無い。

 

<デメリット>

コストがかかる(機器の購入コストと、針、センサーなどの消耗品コスト)

 

まとめ

食後高血糖が長く続いてしまいますと、糖尿病を発症してしまうのは勿論のこと、動脈硬化などの合併症を引き起こしてしまうリスクが高まります。

 

食後血糖値は、通常の健康診断では行っていませんので、自分の食後血糖値がどうなっているか知る機会は中々ありません。

 

食後血糖値を把握するには、病院で、ブドウ糖負荷試験やグリコアルブミン、1,5-AGなどの血液検査を行えば分かります。

 

定期的に病院に通える方は、それで十分だと思いますが、なかなか病院に通えない人や、もっと頻繁に血糖値を計って自分の血糖状態を把握したい人などは、血糖自己測定器を購入するのもアリなのではないでしょうか。

 

私も血糖自己測定装置でいい物があれば、購入を検討してみたいと思います。

 

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 - 合併症, 検査