硬くなった血管を柔らかくするには?
2016/09/08
年を取ってくると、
血管が硬くなってくる!
などと、よく言われます。
血管が硬くなる理由は2つあるのですが、一つは、血圧の上昇で血管に圧力がかかったり、ストレスや喫煙で血管が縮むことによって血管が硬くなるケースです。
これは、一時的なものですので、血圧が平常に戻ったり、ストレスやたばこなどの原因がなくなれば元に戻ります。
もう一つの理由は、いわゆる動脈硬化のことを指していて、最近では、血管年齢という言葉でもよく表現されています。
血管年齢が若い
血管年齢が老いている
などと使われますが、血管年齢とは、
どれだけ動脈硬化が進んでいるか?
ということを分かりやすくした指標ということになります。
血管年齢が高い血管は、間違いなく動脈硬化が進んでいます。
血管は、硬くなったまま放っていると、最終的には、心筋梗塞や脳梗塞など重篤な症状につながる訳ですが、そこまでいかなくても、血管が硬いと様々な症状が表れます。
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こんな症状の人は要注意!血管年齢が高いかもしれません!
皆さんは、このような症状はでていませんか?
・疲れが取れない
・疲れやすい
・だるい・体が重い
・寝起きが悪い・スッキリしない
・活気が無い
・顔色が悪い
・肌の調子が良くない
・髪にハリやツヤがない
・むくむ
・手足が冷えやすい
・肩がこる
全部当てはまる人はちょっと注意が必要です。
血管年齢が実年齢より、10歳くらい老けているかもしれません。
5個以上ある人も5歳くらいは老けているかもしれません。
ご自身の血管年齢は検査をすればすぐに分かりますので、詳しく知りたいという方は、病院に行って検査をしてみるのが良いと思います。
ちなみに血管は、一度、硬くなってしまうと、二度と元の正常な状態に戻ることはありません。
しかし、現在では、硬くなった血管でも、食生活の改善や運動、薬物治療などによって、ある程度の状態(健康に差しさわりのない状態)までなら元に戻すことが出来ると考えられています。
ですから、元に戻らないからと言って、そのまま何もせず放っておくのではなく、少しでも血管を柔らかくしたり、硬くなるのを予防する取り組みが大切になってきます。
血管の構造はどうななっている?
硬くなった血管を改善する上において、改めて血管の構造についてご説明させていただきます。
血管は、血管の中心から、
内皮細胞:血管の一番内側にある細胞で、血管の収縮や拡張を調整する機能を持っています。
血管内膜:血流に直接触れている部分で内皮細胞と結合組織から出来ています。
血管中膜:スポンジのような構造で血管にかかる圧力を調整します。
血管外膜:丈夫な弾性繊維によって血管の外側を保護しています。
という3層+内皮細胞で構成されています。
例えるなら、ホースの断面をイメージしていただけると分かりやすいと思います。
血管年齢を改善するにあたって、血管の構造の中で、一番のポイントはどこだと思いますか?
それは、血管内膜に付いている
内皮細胞
です。
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内皮細胞が傷つくと血管年齢は高くなる!?
内皮細胞の働きが正常に機能しているか、いないかで血管年齢は大きく違ってきます。
内皮細胞は、
血管の収縮・拡張を調整(血圧コントロール)
する機能の他に、
血小板の粘着・凝集の抑制
する機能も持っています。
ようするに、血管内皮に余計な不純物がくっつかない様にバリア機能も持っているということです。
しかし、この内皮細胞は、加齢や偏った食生活、喫煙、運動不足などの生活習慣の乱れなどによって徐々に弱まってきてしまいます。
そして、活性酸素、高血圧、脂質異常、高血糖などの危険因子が加わりますと、更に内皮細胞にダメージを与え、バリア機能を弱めてしまうことになるのです。
内皮細胞のバリア機能が弱まると・・・
内皮細胞のバリア機能が弱まりますと、ダメージを受けた内皮細胞の隙間から、LDLコレストロールがどんどん入り込むようになります。(血管内皮と中皮の間に入り込む)
入り込んだLDLコレストロールは、
活性酸素の影響で酸化LDLとなる。
↓
体は酸化LDLを異物として認識して排除にかかる。
↓
白血球の一種、単球が酸化LDLを取り込む。
↓
単球が限界まで酸化LDLを取り込むと死亡する。
↓
死亡した残骸は、血管内皮と中皮の間に留まってしまう。
↓
残骸が増えれば増えるほど、血管内皮を圧迫しやがてコブ(プラーク)となる
↓
血流が悪くなる。
↓
プラークが破れると、血液が付着し血栓(血の塊)となる。
↓ ↓
↓ 血栓が大きくなって血管を塞いでしまうと心筋梗塞、脳梗塞。
↓
血栓が剥がれて脳の血管に詰まってしまうと脳卒中
このような流れとなります。
つまり、
内皮細胞を痛めつけない
血管内皮内にコレストロールを侵入させない
ことが、血管年齢を若く保つ、すなわち動脈硬化を防ぐポイントという訳です。
傷ついた内皮細胞は復活するのか?
では、一度傷ついた内皮細胞は元に戻るのでしょうか?
結論から言いますと、内皮細胞は約3年間で生まれ変わります。
ただし、一気に全部生まれ変わるということではなく、古い細胞から順番に生まれ変わるのです。
ですから、新しく生まれ変わった内皮細胞を傷つけないようにケアをすれば本来の機能が回復して、動脈硬化の進行を防ぐことが出来るのです。
どのようにして内皮細胞のケアを行うのが良いか?
内皮細胞を傷つけないようにするには、
活性酸素、高血圧、脂質異常、高血糖
など内皮細胞を傷つける危険因子を取り除くことが一番効果的です。
加えて、偏った食生活、喫煙、運動不足など悪い生活習慣を改める。
これにつきます。
血液検査の値が気になる、食生活を改善したい方には、ドロドロ血を予防するサプリメントを活用するのも効果的です。
また、活性酸素を減らすには、抗酸化物質(ポリフェノール・カロテノイド・ビタミンEなど)
を多く含んだ食材を食べることです。
ポリフェノールであれば、お茶、ぶどう、ワイン、そば、大豆、ごま、オリーブオイルなど。
カロテノイドであれば、ニンジン、トマトなど。
ビタミンEであえば、アーモンド、落花生、卵、焼きのりなど。
これらの食品には多くの抗酸化物質が含まれています。
そして、
高血圧の場合は、何はともあれ、減塩。
脂質代謝異常の場合は、高コレストロール食品、油物、アルコールを控える。
そして、高血糖の場合は糖質(炭水化物、糖類)を控えることです。
一度に全部行うのは難しい方もいらっしゃるかもしれませんが、やればやっただけ効果は必ず出てきますので、地道に改善していくことが大事です。
まとめ
年を重ねていくに伴い、血管は自然と老いて硬くなってしまいますが、これは、防ぎようがなく、やむを得ないことです。
しかし、自ら血管の老化に拍車をかけているケースは多々あるのではないでしょうか?
私の場合ですと、間違いなく実年齢より血管年齢の方が上だと思います。
ちなみに、日本人の死亡原因の約25%は、心臓疾患、脳疾患によるものだそうです。
「ぽっくり逝った方が楽だ!」
という考え方も無きにしもあらずですが、私は、なかなかそのような心境までたどり着けません。
私を含め、私の大切な人たちにも、1日でも長く、健康でいてもらいたいと切に願う今日この頃です。
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