糖尿病で体温が低い人は要注意!
体温が低い人っていませんか?
私の周りにも「体温が低い」と、おっしゃる方が、何人かいます。
体温が低いということは、免疫力が落ちるので病気になりやすいとも言われていますが、糖尿病を患っている方は、注意が必要です。
なぜなら、糖尿病の方は、「低体温症」になりやすいといと言われているからです。
糖尿病と「低体温症」って一見、何も関係が無いように思われますが、実は、深い関わりがあることが分かっています。
今回は、糖尿病と「低体温症」についてお伝えしたいと思います。
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低体温症ってなんだろう?
私達の体温は、外気温に関わらず一定の体温で保たれるようになっています。
しかし、何らかの理由によって、体の深部体温(直腸温)が35℃以下に低下し、身体機能に様々な支障が生じる状態を低体温症と呼びます。
低体温症になると、脳の働きが低下し、やがて呼吸や循環器に異常をきたすようになります。処置が遅れると、死に至るケースもある怖い症状です。
低体温症になるケースとしてよく知られているのが、冬山や寒冷地での遭難などによって引き起こる低体温症です。
でも、低体温症は、特定の環境化だけで起こるものではなく、風雨にさらされた服から生じる気化熱や屋外での泥酔状態など、条件次第では、夏場や通常の生活環境下でも発生する可能性があります。
また、子供や高齢者は、体温調節機能が低いので、山などの気温が低い場所にいたり、冷たい水に長時間浸かっていて防寒対策が遅れると低体温症になりやすくなります。
糖尿病患者が低体温症になりやすい理由とは?
では、糖尿病と低体温症の関係は、どのようになっているのでしょうか。
〈自律神経の障害〉
糖尿病の合併症の一つとして、糖尿病性自律神経障害という症状があります。
自律神経は、人の意識とは関係なく、内臓器官の機能を調節する働きや内臓からの情報を中枢神経系に伝えるなどの働きがある非常に重要な役割を担っています。
この自律神経に障害が起きてしまうと、頭痛や肩こり、手足のしびれといた症状から、動悸、不整脈、めまい、不眠など、様々な症状が発生してしまいます。
そして、体温調節機能にも大きく影響を及ぼしていますので、自律神経の障害は、体温の調整に不具合を生じさせ、ひどい場合、低体温症を発症させてしまう恐れがあります。
〈食事制限の弊害〉
また、糖尿病患者の方で、食事制限を厳しくし過ぎている人や胃腸が弱っている人はいませんか?
そんな方は、注意が必要です。
なぜなら、体に必要なエネルギーまで制限してしまうと、体は、飢餓状態に陥ってしまうからです。
ましてや、胃腸が弱っていて、栄養が吸収されにくい時などは、特に気を付けなければなりません。
人は、飢餓状態に陥っていまいますと、体内で熱を生み出せなくなり、低体温症になりやすくなってしまうので、食事制限を厳しく行っている方は注意が必要です。
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もし低体温症になってしまったら?
低体温症は、程度によって、対処方法が変わってきます。
本人だけの対応だと難しい場合もありますので、周囲の方が、迅速に対応することが大切です。
〈低体温症の対処法〉
軽度の場合(35℃~33℃)
毛布や湯たんぽなどで体を温めます。
服が濡れている場合は、乾いた暖かい服に着替えさせます。
そして、ココアやホットチョコレート、お汁粉など温かい甘い飲み物をゆっくり与えます。
ただし、コーヒーや紅茶、お茶などは、利尿作用で脱水症状をお起こす恐れがあるので避けるようにしましょう。
アルコールは、体温調節中枢をマヒさせるので、絶対に与えてはいけません。
また、タバコも、血管が収縮して、凍傷を起こす恐れがあるので絶対にNGです。
中度の場合(33℃~30℃)
速やかに医療機関へ搬送する手はずを進めてください。
ちょっと刺激でも、不整脈を起こす心配がありますので、十分に注意が必要です。
安易に体を動かしたり、手足のマッサージなど体表面の加温も禁止です。
中度以上の低体温症の場合、表面を加温すると、不整脈でショックを起こす場合があります。
濡れた服を脱がす際にも、体を丁寧に扱うようにしましょう。
重度の場合(30℃以下)
呼吸が停止している、または非常にゆっくりの場合は、人工呼吸を行う必要があります。
また、心肺停止状態であれば、心臓マッサージを行い、合わせて人工呼吸を行います。
雪崩に巻き込まれ、心配停止後から2時間45分後に蘇生し、後遺症もなく回復した事例もありますので、あきらめずに根気強く行うことが大切です。
低体温症にならないためには?
糖尿病性神経障害の合併症を発症している方は、低体温症になりやすので、他の方よりも注意して行動する必要があります。
まずは、寒さを意識することが重要です。
部屋の温度や服装など体を冷やさない工夫が必要です。
部屋はどんなに寒くても、19℃以上に保つようにして、服装もなるべく靴下をはいたり、重ね着をしたり体を冷やさないようにしましょう。
泥酔すると血圧が下がり低体温症を引き起こすこともあります。
お酒は泥酔するまで飲まず、適量を守ってほどほどにしておくようにしましょう。
まとめ
低体温症は、発見が遅れると命に関わる病気です。
しかし、実際に自分が低体温症になっているかどうか、判断するのは難しいのが実情です。
低体温症は、体が冷える環境が整えば簡単に起こってしまいます。
気温が低い時、冷たい水に浸かっている時、風雨などで体温が奪われている時などは、特に低体温症のことを意識して行動することが大切です。
「体が冷えたな」、と思った時は、速やかに体を温めて体温を回復させるよう努めましょう。
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