ストレスで血糖値が上がる理由とは?
最近、ちょっとしたことでイライラしたり、怒りっぽくなってしまう。
気持ちが沈んで、やる気が出ない。
寝つきが悪かったり、夜中や早朝に目が覚めてしまう。
なんてことは、ありませんか?
このようなことが当てはまる人は、心と体にストレスがたまっているかもしれませんので注意が必要です。
ストレスは、体に様々な影響を与えて健康を阻害する要因となっていますが、ストレスで血糖値が上がってしまうということをご存知でしょうか?
今回は、ストレスで血糖値が上がってしまう理由について考えたいと思います。
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ストレスのタイプってどんなものがあるの?
ストレスにもいくつか種類があって、大まかにいうと3つのタイプがあります。
- 心理的ストレス
- 生理的ストレス
- 物理的ストレス
〈心理的ストレス〉
人生の大きな出来事、例えば、結婚、出産、離婚、死別など、重大な事柄によってかかるストレスや、嫁姑関係、ご近所関係、学校や職場での人間関係によって沸き起こる、
不安、不満、失望、挫折、苦痛、興奮、恐怖、怒り、悲しみ
などの心理的ストレス。
〈生理的ストレス〉
過労や睡眠不足、飢え、病原菌などによる生理的なストレス。
〈物理的ストレス〉
暑さや寒さ、湿気や乾燥、ケガや痛み、振動や騒音などの物理的なストレス。
ストレスが血糖値に与える影響とは?
人は、日々のちょっとした出来事や人間関係など些細なことでも、ストレスを感じているそうです。
ストレスの多い少ないは別として、ストレスを感じないで生きていくことは、そう簡単なことではありません。
人は、心や体に何らかのストレスが加えられますとストレスに反応して交感神経が活発になりホルモンを分泌するようになるそうです。
「インスリン」は、血糖値を下げるホルモンですが、「アドレナリン」、「クルカゴン」、「甲状腺ホルモン」、「コルチゾール」などは血糖値を上昇させる働きがあります。
ストレスが加わると、これらのホルモンが泌されるようになり、結果的に血糖値が上昇してしまうのです。
〈ストレスによる血糖値上昇の流れ〉
ストレスが加わると
↓
ストレスから体を守る反応としてホルモンを分泌
(脳の動きが増加、神経が張りつめる、全身の筋肉が動くなどの反応)
↓
活動するホルモンのエネルギー源はブドウ糖
↓
血中のブドウ糖が増える。
という訳です。
通常、これらの反応は、一時的なものでストレス要因が無くなれば、普通の状態に戻るのですが、長期にわたって強いストレスを受けていますと、血糖値への影響も少なくありませんので注意が必要です。
また、ストレスが溜りますと、精神的にも不安定になり、不安や不満、怒りなどマイナス的な感情が芽生えてきますので、それを解消するために食べ過ぎや飲み過ぎになってしまうことも考えられます。
暴飲暴食は血糖値を上げる要因ですので、気を付けなければなりません。
さらに、継続的にストレスを受け続けると、自律神経にも影響が出てきて、自律神経失調症やうつ病などほかの病気を引き起こすことも懸念されます。
精神的に病んでしまいますと糖尿病への関心や治療意欲も失われてしまいますので、血糖コントロールが難しくなってしまうのも心配です。
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ストレスにはきちんと対処する
ストレスが溜ってきますと精神的にもよくありませんし、血糖値にも影響してきますので、きちんと対処することが大切です。
ストレスの原因となるものを明らかにしたり、ストレス反応を少しでも和らげる為にも、対処方法を考えておく必要があります。
ストレスの対処法は人それぞれ異なってきますが、代表的な対処法についてご紹介します。
〈休養する〉
心や体の疲労がたまっていたり、倦怠感を感じた時は、無理をしないで十分な休養をとりましょう。
栄養バランスのとれた食事を摂ったり、睡眠時間をたっぷり取って心と体を休めましょう。
〈運動する〉
運動はストレス解消にはもってこいです。
運動していない人は、運動している人と比べ、ストレスへの対応力が少ないと考えられています。
そう言われると確かに、趣味でスポーツをされている人などは、ハツラツとされている方が多いように感じられます。
〈趣味をや熱中できるもの持つ〉
日々の仕事や勉強、家事、子育てから離れ、精神をリフレッシュできるような趣味や娯楽、もしくは熱中して気晴らしが出来るようなものを見つけてみましょう。
〈リラックスタイムを作る〉
ストレスを解消する上で、日々の生活の中にリラックスできる時間を設けることが大切です。
お茶やコーヒーを飲んでゆっくり時間を過ごしたり、何も考えずボーっとする、ガーデニングや、森林浴、入浴など自分でリラックスできる心地よい時間帯を過ごすだけでも、ストレスは緩和されると思います。
〈環境を変える〉
ストレスを感じる生活スタイルが続くようであれば、生活スタイルを見直してみるのも良いかもしれません。
日常生活で、当たり前に繰り返している習慣や行動パターンを見直してみてみると、意外とストレスの解決策を見つけることが出来るかもしれません。
例えば、通勤時のストレスを解消するために、通勤経路を少し変えてみたり、時間帯を見直す、特急、急行など混雑車両は避けて比較的空いている各駅停車などを利用するなどでも効果があるかもしれません。
また、職場などの人間関係でストレスを感じている人は、結構いらっしゃると思います。
自分の力だけではどうしようもなく、周囲の支援や理解にも限界がある場合などは、移動願いを出してみたり、人事担当者などに相談してみるのも良いかもしれません。
それも難しいようであれば、思い切って職を変えてしまうのもありだと思います。
〈医師や専門家に相談する〉
最近、
「よく眠れない」
「イライラすることが多い」
「憂鬱な気分になることが多い」
などの症状が出てきたら、ストレスの影響で心と体に不調が出ている証拠です。
自分では対応できない問題を抱えた時や大きなプレッシャーを感じた時などは、ストレスが溜りやすいのできちんと対応しておく必要があります。
適度にストレスを解消出来ていれば良いのですが、中には、ストレスを溜め込んだまま、ついつい自分一人で頑張ってしまう方もいらっしゃいます。
自分一人で頑張ることは、たいへん立派なことですが、時には人の力を借りて解決することもあってもいいのではないでしょうか。
信頼できる人や医師、専門家に相談してみると意外と解決の糸口は見つかるものです。
風やケガなどを治しに行くように、心に受けた傷も心療内科や精神科で気軽に診察出来ますので、「ちょっとつらいな」と感じた時は、早めに受診されることをお勧めします。
まとめ
ストレスには、心理的ストレス、生理的ストレス、物理的ストレスの3つのストレスがあります。
中でも心理的ストレスは、適切に対処しないと、うつ病や自立神経失調症など心の病にかかる可能性もありますので、注意が必要です、
また、ストレスは精神面だけでなく、血糖値の上昇につながりますので、糖尿病患者にとってストレスは大敵であると言えるでしょう。
充分な睡眠をとって心と体を休めたり、運動や熱中できる趣味や娯楽に没頭することでストレスを発散させることはできますし、自分にとって居心地のいいリラックスできる環境を整えることもストレス解消に効果的です。
しかし、自分一人で解決することが困難な時は、専門家や医師の力を借りて解決することが最適な場合もあります。
全て一人で抱え込まず、専門家のアドバイスを取り入れることも頭の片隅に置いておくようにしておきましょう。
余談ですが、私が以前勤めていた職場では、過度のストレスやプレッシャーによって、心を病んでしまう人が何人かいらっしゃいました。
社員全体の約5%が出社できず、自宅で療養している状況です。
しかも療養後に職場復帰出来たとしても、以前と同様にハツラツと働いている人は少ないように思えます。
一概にはなんとも言えませんが、一度、心を病んでしまうと、以前の状態に戻るのは、なかなか難しいのかもしれません、
ギリギリまで頑張るのではなく、ちょっとおかしいな?と思ったら、我慢せず、軽い気持ちで、早めに診察してもらうのがいいのかもしれません。
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